相続税が改正されました

2015年4月21日

平成27年1月からの相続について、相続税の改正が行われました。今まで相続税の対象となる方は、亡くなった方の約4%から5%と言われていました。つまりお亡くなりになつた方100人のうち4から5名が相続税という税金の対象でした。これが平成27年よりもつと多くの方が相続税の対象となることになります。

2年程前から相続税のセミナーを行っておりますが、関心のある方がたくさんいらっしゃいました。

相続税は亡くなった方のすべての財産を確認して、プラスの財産からマイナスの財産(債務)を差引き、そこから基礎控除額を控除した後の金額が相続税の対象となります。そこで、平成27年改正の内容について確認したいと思います。

相続税改正のポイント

【1】基礎控除の引き下げ
【2】相続税率の引き上げ
【3】未成年者控除。障害者控除の拡大
【4】小規模宅地等の特例の拡大

【1】基礎控除の引き下げ

平成27年の最も大きな点は、この基礎控除の引き下げになります。

相続税改正 遺産にかかる基礎控除 遺産に係る基礎控除額が引き下げられます。改正前:5000万円+(1000万円×法定相続人の数)改正後:3000万円+(600万円×法定相続人の数)  例)夫が亡くなり、相続人は配偶者である妻と子供2人の場合 ・相続税改正前:5000万円+1000万円×3名=8000万円 ・・・8000万円までの遺産には相続税の課税なし ・相続税改正後:3000万円+600万円×3名=4800万円 ・・・4800万円以上の遺産があれば相続税対象

【2】相続税率の引き上げ

平成27年より相続税の税率が引き上げられました。

相続税改正 相続税の税率構造 最高税率の引き上げなど税率構造が変わります。

【3】未成年者控除・障害者控除の拡大

相続人に未成年者や障害者の方がいる場合には、相続税額の計算上未成年者控除・障害者控除として一定の金額を控除します。

税制改正 税額控除 ・未成年者控除の控除額が引き上げられます。 改正前:20歳までの1年につき6万円 改正後:20歳までの1年につき10万円 ・障害者控除の控除額が引き上げられます。改正前:85歳までの1年につき6万円(特別障害者12万円 改正後:85歳までの1年につき10万円(特別障害者20万円)

【4】小規模宅地等の拡大

基礎控除の引き下げや税率構造の引き上げが行われるため、地価の高くなる都市部の増税の影響を考えて、小規模宅地の改正が行われました。

相続税改正 小規模宅地等の特例 ・居住用の宅地等(特定居住地等)の限度面積が拡大されます。 ・居住用と事業用の宅地等を選択する場合の適用面積が拡大されます。小規模宅地等の特例
被相続人又は被相続人と生計を―にしていた被相続人の親族(以下「被相続人等」といいます。)の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等がある場合には、   一定の要件の下に、遺産である宅地等のうち限度面積までの部分 (以下「小規模宅地等」といいます。)について、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、 一定の割合を減額します。

今後相続税の対策を考えていく必要があるかと思いますが、相続については、最近では税金と同時に相続人の争いも多くなると考えられます。税金は少ない方が良いと思いますが、それ以上に親族間でも争いは少なくしていくように考えなければなりません。みなさんの現状をお聞きしながら、不安を少しでも少なくするように対応していきたいと思います。

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